PMとPMOの違いとは?21年PMをやってきた代表が現場目線で解説
「PM」と「PMO」、名前は似ていますが、現場でやっていることはかなり違います。
SESでPM・PMOとして転職を考えている方の中には、「求人票に書いてある役割と、実際にやることが違った」というミスマッチを心配している方も多いのではないでしょうか。実際、PM/PMOの転職で確認してほしいポイントでも触れましたが、「PM案件」と聞いて入ったら実態はPMOだった、というケースは珍しくありません。
この記事では、金融系SIerで16年、その後Webシステムやスマホアプリの開発でPMを務めてきた代表の経験から、PMとPMOの違いを現場目線で解説します。
そもそもPMとPMOは何をする人か
まず一般的な定義を整理します。
**PM(プロジェクトマネージャー)**は、個別のプロジェクトの責任者です。予算・スケジュール・品質・メンバーの管理を行い、プロジェクトを成功に導く役割を担います。
**PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)**は、プロジェクトマネジメントを支援する組織・役割です。ただしPMOの仕事内容は現場によってかなり幅があり、以下のように多岐にわたります。
- PMの進捗・課題・リスク管理を支援する
- プロジェクトの状況を整理し、経営層や上位組織へ報告する
- 複数プロジェクトの状況を横断的に確認する
- プロジェクト管理のルールやフォーマットを標準化する
- 他プロジェクトの成功事例・失敗事例を横展開する
つまり「PMO」という名前だけでは仕事内容を判断できません。特定のプロジェクトに常駐してPMを直接支援するPMOもあれば、複数プロジェクトを横断して管理するPMOもあります。ここがSESで案件を選ぶ際に特に注意したいポイントです。
PMの役割:現場を動かす「縁の下の力持ち」
PMは、プロジェクトを成功に導く役目です。メンバーが上手く動けるように調整したり、準備したり、導いたりする、いわば縁の下の力持ちのような存在です。
具体的には、以下のような動きをします。
- クライアントとの折衝、要件のすり合わせ
- スケジュールや予算の管理、進捗の把握
- メンバーの役割分担、困りごとの解消
- トラブルが起きたときの意思決定
「進捗どうですか?」と聞いて「90%です」と返ってきたとき、その数字をそのまま信じてよいかを判断するのもPMの仕事です。数字の裏にある実態を見抜き、必要なら早めに手を打つ。これができるかどうかで、プロジェクトの結果は大きく変わります。
PMは基本的に、担当するプロジェクトの成功に責任を持って動きます。そのため、日々の判断や調整も担当プロジェクトを中心に行います。
PMOの役割:PMを支援し、プロジェクト管理の質を上げる
PMOは、PMの作業をサポートすることも重要な役割です。複数チームから進捗を集める、課題を整理する、会議を運営する、報告資料を作る、といった仕事を担当するPMOも多くあります。
ただ、それだけではありません。複数プロジェクトを横断するPMOの場合、私が特に期待する価値の一つは、一つのプロジェクトだけでは得られない知見を持ち込むことです。
一つのプロジェクトの中だけを見ていると気づきにくいことも、複数のプロジェクトを横断して見ているPMOだからこそ気づけることがあります。「別の現場でこういうやり方をしたらうまくいった」「別のプロジェクトで起きた炎上の原因はこれだった、同じ失敗をしないために先に手を打とう」「各プロジェクトで管理方法がバラバラなので、この方法に統一しよう」といった知見を横に展開するのも、PMOならではの価値です。
ただし冒頭で触れた通り、PMOの役割は会社や案件によってかなり違います。特定プロジェクトの中に入ってPMを支援するPMOもあれば、複数プロジェクトを横断して管理するPMOもあります。「PMO案件」という名称だけで仕事内容を判断しないことが大切です。
PMとPMOで、求められるスキルは何が違うのか
PMとPMOでは、求められる資質にも違いがあります。
PMに強く求められるのは、目の前の現場を動かす実行力です。メンバーとの信頼関係を築き、トラブルが起きたときに即座に判断し、プロジェクトを前に進める力が問われます。
PMOに強く求められるのは、状況を整理し、客観的にプロジェクトを見る力です。特定のプロジェクトを支援する場合でも、複数プロジェクトを横断する場合でも、「何がうまくいっていて、どこに問題があるのか」を整理してPMや関係者に伝える力が問われます。複数プロジェクトを担当するPMOであれば、さらに各プロジェクトを比較し、共通する課題や成功事例を見つける視点も必要になります。
どちらが上・下という話ではなく、必要とされる視点そのものが違います。PM経験を積んだ人がPMOに移ることで視野が広がることもあれば、PMOの経験を積んだ人が改めてPMとして現場に入ることで、より実践的な判断力を身につけることもあります。
SESで転職するときに、この違いがなぜ重要なのか
SESでPM・PMOとして転職を検討する際、この違いを理解しておくことは、ミスマッチを避けるうえで重要です。
求人票に「PM募集」と書かれていても、実際に配属されてみると、意思決定権のない進捗管理だけを任される、いわば「名ばかりPM」だったというケースがあります。逆に「PMO募集」と聞いていたのに、実質的にはPMのような重い責任を一人で背負わされる、ということもあり得ます。
面談の段階で、以下を具体的に確認しておくことをおすすめします。
PM案件の場合
- 自分にどこまで意思決定権があるのか
- 顧客との折衝は誰が担当するのか
- スケジュールや予算に責任を持つのか
- 上位に別のPMや責任者がいるのか
PMO案件の場合
- 特定のPMを支援する仕事なのか、複数プロジェクトを横断するのか
- 進捗集計や資料作成が中心なのか
- 課題やリスクについて助言する立場なのか
「PM案件だから安心」ではない
「PM」という肩書きが付いているからといって、良い案件とは限りません。同じPM案件でも、裁量が大きくプロジェクト全体を任される案件もあれば、上位PMの下で一部領域だけを担当する案件、実態としては進捗管理だけを担当する案件もあります。PMOも同じで、案件によって中身はかなり違います。
還元率や単価だけでなく、「その案件に入ったら自分は具体的に何をするのか」を確認する視点も、後悔しない転職につながります。還元率の確認ポイントについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
まとめ
PMとPMOの違いを整理すると、以下のようになります。
- PM:担当するプロジェクトを前に進め、成功に導く役割。メンバーが動きやすいように調整・準備・意思決定を行う「縁の下の力持ち」
- PMO:PMを支援し、プロジェクト管理の質を高める役割。案件によっては複数プロジェクトを横断し、他プロジェクトの知見を横展開する役割も担う
- どちらも「肩書きだけでは仕事内容を判断できない」点は共通。SESで転職する際は、役割の実態(意思決定権の有無、担当範囲)を面談で確認することが大切
AtomBaseでは、「PM案件」「PMO案件」という名前だけで案件をおすすめすることはしません。実際にどこまで裁量があるのか、何を担当するのか、その経験が今後のキャリアにつながるのかも確認しながら案件を選びます。
「今の経験ならPMとPMOどちらが向いているのか」「次にどんな案件を経験すべきか」を知りたい方は、AtomBaseのカジュアル面談でお話ししませんか。代表自身が21年のPM経験をもとに、率直にお話しします。
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